Le Chevalier du Lion d'Or

ル・シュバリエ・デュ・リオンドールで起こる日々の出来事・・・
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Good-bye older brother…


「いつお戻りになられるのですか…?」



そうだね…いつか聞かれると思っていたけど、ティルダから聞かれるなんてね…。



でも……



ごめんね。ティルダ…。僕はもうここに戻って来ることは出来ない…。だって僕は…







…ううん。やっぱり何でもない。




そういえば、アルヴァ兄さん…痩せてたなぁ…あの誕生日パーティー以来…そっか、数ヶ月見ないだけでそんなに変わるもんなんだなぁ…フフ…アルヴァ兄さんらしい…って言うのかな…?



今日一日だけでも色々な人達に戻って来いって言われた…皆、何だかんだ言ってアルヴァ兄さんの事が大好きなんだよね…何だか羨ましいな…。


ううん。分かってるんだ。皆が僕の事も大切に思ってくれていること…でも、やっぱりアルヴァ兄さんが羨ましい…。


なーんてシェーンハルス先輩に言ってしまったけれど…。




でも…やっぱり僕だって此処に居たい…兄様達のこと…大好きだし…でも、それは叶わない願いなんだ…




だからごめんね。アルヴァ兄さん。もう僕は傍に居てあげる事は出来ないけれど…


けど…僕以外にも周りには皆がいる。だから、きっとアルヴァ兄さんは大丈夫。







アルヴァ兄さんのこと…どうか……よろしくお願いします…。




さようなら…兄様…。
| 四男 エミール・ファビウス・ドーソン | 17:00 | comments(0) | - |
Reencounter


アルヴァ兄さんの誕生日パーティーも終わって日常が戻ってきた。

日常と言っても、カドゥケウス・オブ・ヘルメスで生活するようになって
まだそんなに経った訳でもないんだけれど…。


でも…アルヴァ兄さんがあんな姿になっていたのは僕もビックリだったな…。


クライド兄様は…何ていうか…大人っぽくなったっていうのかな…
んー…貴族らしくなった…?

何て言うんだろう…
何か……変わったな…。



クライド兄様にあの話を切り出すのは少し躊躇った。


「何でロンズデール伯爵家なんかに…!?だって、今まで特に親しくしていた訳じゃないだろ?それなのに何でまた…!?」

「今は亡きロンズデール伯爵の姉君・クレア様と…僕の…僕の亡くなった母さまは親しい友人同士だったんだ…。」


そう…僕の亡くなった母さまと今は亡きロンズデール伯爵の姉君・クレア様は親しい友人同士だった。

その関係で我が家の騒動を心配したロンズデール伯爵が僕に手紙をくれた…。
しばらく身を置く場所を提供すると言ってくれた…。
後見人にも名乗り出てくれた…。

兄様には心配をかけたくなかったからこの話をするべきなのかとても迷ってしまった。


兄様はビックリしていたし、心配もしてくれた。

ごめん、兄様。

でも、僕は大丈夫だよ。

だから、心配しないで。

クライド兄様。



ダニエル兄様も…変わらず……お元気そうだった…。


クライド兄様とダニエル兄様…、相変わらず、
顔を合わせれば険悪な雰囲気になってしまう…。


ダニエル兄様、アルヴァ兄さんをきつく叱ってたし…。

そんなに怒らなくても…って僕も少し思ってしまったけれど…。


……アルヴァ兄さんは大丈夫なのかな?

へこまなければ良いのだけれど…。


でも、アルヴァ兄様ならきっと、大丈夫だよね。
 
| 四男 エミール・ファビウス・ドーソン | 13:00 | comments(0) | - |
suffering


……手紙…?

ル・シュバリエ・デュ・リオンドールから、僕に…?



ドキドキして開いたその中には、一枚の招待状。

―アルヴァ兄様の…誕生日パーティー?……?



すっかり忘れてしまっていた。
そうだ、もう七月だったんだ。


…『P・J・L』からの手紙を受けてから…

…父上が亡くなって…

…そして僕は………

―……あれからの毎日は
あまりに慌ただしく過ぎていったから、
なんだかいろんな事に実感がわかない。



思い出して、ふっ と、
いつかの年のアルヴァ兄様の誕生日パーティーが脳裏に蘇った。



メイド長のナオミが切り分けてくれたケーキを、
少しでも大きいものを選ぼうとして
いつまでもケーキと睨めっこしていた兄様。

それをダニエル兄さんが叱って…

大人しくなったアルヴァ兄様を、
今度はクライド兄様が茶化して笑わせる。

メーベルがやけにニコニコしながら
一人でブツブツ言いながらガッツポーズをして、

アメリアが調子っぱずれなバースデーソングを歌い出すと
ヒューイもそれに乗っかってきて、
執事のヘンリーが重い咳払いでそれを止める。


…そして………あの時は、まだ父上もお元気で……

…………


…―僕はいつもそんな光景を笑って眺めてるだけで充分だった。
みんなと一緒にいられるだけで楽しかったし、幸せだったんだ。

僕には、兄様達みたいな聡明さも、社交性も、ユーモアもないから。
いつでも、側にいて…
笑っていられれば…



…思えばいつだって近くて遠かった。



華やかな父上と、兄様達。

母様は僕たちも本当の息子同様に愛してくれたけれど…
…僕にはいつも疑問があった。

それぞれ母親が違っても、僕だけが何か違う。
何かが…

…僕だけが、いつもその輪の外に居た。




その長年の疑問は、
『P・J・L』…彼からの手紙でようやくはっきりと答えが出た。




あれから一ヶ月以上…

リオンドールから手紙が来るのは、これが初めてだな。

ダニエル兄様はいらっしゃるんだろうか…
クライド兄様は、僕がここにいると知ったらどんな顔をするだろう…
そして、アルヴァ兄様は………――



少し悩みながら、僕は招待状の返事を書くべく、机の上の筆をとった。
| 四男 エミール・ファビウス・ドーソン | 15:00 | comments(0) | - |
Brother


 あのパーティーの日以来、殆ど部屋から出ていない…。


……


あの日、ヴィヴィアン姉様とダニエル兄様の婚約を聞いて、
新しい門出を祝って乾杯をと、皆で集まっていた。

急な婚約、当事者であるヴィヴィアン姉様でさえ、
その時初めて知って戸惑っていた。
他の人達も同様に、急に知らされた事で戸惑ってはいたが
めでたい事であるという事で、喜んでいた者もいた。


しかし、そんな祝いの席に響いたナオミの悲鳴。
それは、父上の異変を知らせるものだった。


アルヴァ兄さんが覚束ない足取りで現れて…

取り乱して、父上が血を吐いて倒れたって…

それからは、よく覚えていない…


……


ただ、P. J. L…そう、

『貴方はカッコーの巣の上で、私はカッコーの巣の下で、共に同じ道を行かん…P. J. L…』

コナーから受け取ったカードの、彼なのではないかと思うと怖くて…。

父上があんな事になったのは、僕のせいなのではないかと思うと、
皆に会いづらくて。

皆、そんな事は知らないし、
知っていたとしても、責めたりはしない人達だってわかっているけれど…。


……



ダニエル兄様なら、何て言うかな…
幼い頃はよく一緒にいたけれど、最近は仕事で忙しいらしく、
あまり会っていないから、正直、わからない…。

クライド兄様なら…
きっと、お前は何も心配するなって言ってくれるのかなぁ…。

アルヴァ兄さんは…
あの時、自分の事で一杯で
兄さんが必死に訴えてきたのに、答えられなくて…
今更、何を言えばいいのかわからないけれど
一度、アルヴァ兄さんの部屋に行こう。
心配…だもの。


15年間一緒だった…

兄弟

だものね…。


例え、真実と違っても
ずっと一緒だったという事は変わらない。


でも、だからこそ
兄様達に嘘をつき続けるのが辛い。
このまま、ここにいていいのか不安になる程に。


「誰か教えてよ…僕は、どうすればいい?…助けてよ。」


ベッドの上で小さく座って
そう、呟くと
そっと、胸元のロケットペンダントを握りしめた。
| 四男 エミール・ファビウス・ドーソン | 06:09 | comments(0) | - |
Tea time
 

紅茶の香りで満たされている、
名門校、ヘイスティングスのサロン。

窓際の角の席に、男子生徒が一人…。


テーブルの上には、図書室から借りてきたであろう本と
もうすっかり冷えてしまった紅茶…。

本を読むでもなく、ただ窓の外を眺めている。


……



この間帰省したばかりだというのに、もう懐かしく感じる。

ミックにアルマン叔父様、それにローズマリーにヴィヴィアン姉様…。

懐かしい面々が揃うパーティー…。


とても楽しみだった…いや、今でも楽しみなのだが…。

どうにも、この間帰省した時の事がどうにも気になり、不安感が拭えない。

……


館に帰ってからというもの、いつもどこからか視線を感じていた。

まるで、心の中を探られているような…そんな嫌な視線。

けれど、辺りを見回しても誰も居ない。


それに、帰り際にコナーが話しかけてきた。

それ自体は別段おかしくはない。

おかしくはないのだが…。

何かを言いかけて、結局「お気をつけて行ってらっしゃいませ…」と一言だけ…。

それが本題ではなく、何か他に言おうとした事があったのは明らかだ。


そして去り際聴こえた「時期は近い」と言う言葉…。


それに、一つ、疑念がある
それがここ最近、どんどんと大きくなっている。

視線の事といい、コナーの事といい…。

嫌な感じだ…。
懐かしい面々や、他の客人も多いパーティーだというのに…こんな調子じゃ楽しめそうにない。

……

あぁ、ダメだ…。
こんなんじゃあ、館に帰った時にメイド達に心配をかけてしまう。

普段通り、笑っていなければね。


……



「大丈夫…もう、慣れているもの。」

そう、一言呟いて
男子生徒はサロンから去って行った。

テーブルに、もうすっかり冷えきってしまった紅茶と
図書室から借りてきたであろう、童話の本を残して…。
| 四男 エミール・ファビウス・ドーソン | 16:05 | comments(0) | - |
expectation
 





はぁ…、週末に帰って来たばかりなのに、もう学園に戻るなんて…。

久しぶりの我が家なんだもの、
もうちょっとゆっくりしていたかったなぁ。



でも、また11月のパーティの時に帰ってこれるんだものね。



あぁ!
そうそう、パーティには、ヴィヴィアン姉様とローズマリーが来るんだって!

会うのは随分と久しぶりだなぁ…。





ヴィヴィアン・ルシンダ・マードック。

ヴィヴィアン姉様は、昔から美人だったけれど…
きっと、今はもっと綺麗なんだろうなぁ…。



それから、ローズマリー・アイネズ・マードック。

ローズマリーは…
ふふ、しばらく見ないうちに、さらに可愛らしくなってるのかな?



二人とも、元気かなぁ…。


先日、我が家に訪れたお客様も、きっと11月のパーティにも来てくれるだろうし…

ふふ、凄く楽しみだなぁ!
| 四男 エミール・ファビウス・ドーソン | 04:16 | comments(0) | - |
ストリングス・オーケストラ
 

ヘイスティングスからドーソン家の館へと向かう道中。

多くの馬車が行きかい、けして広くはない道を埋め尽くしている。


どうやらお祭りがあるらしく道が半分通れなくなっているようだ。
まったく、タイミングの悪い。

学園を出たばかりだと言うのに、こんなところで立ち往生するなんて。

隣にいる兄さんなんて、さっきからイライラした様子で

「まだ進まないのか!?まったく、僕はこんなところで時間を無駄にしたくないんだ!」

なんて喚いてる。

…でも、本当になかなか進まないなぁ、
これじゃあ館に着くのが遅れ…

……

…ふと、音楽が聴こえてきた。



どうやらお祭りの催し物で野外での演奏をしているようだ。


これは…弦楽合奏…?


ヴァイオリンにチェロ、コントラバス…

それに……


…この音…。
僕が気になったのはその中の一つ、ヴィオラの音色だ。

ヴィオラの音を聴くと、同室の彼を思い出すな…。
優しく、それでいてまっすぐな音色…まさに彼自身だ。


彼の演奏に比べると、劣るけれどそれでもなかなかのものだ。


せっかくだから、もう少し聴いていたいところなんだけれど…

どうやらやっと進めるようだ。


段々と、音色が遠ざかっていく。


……


…帰ったら、彼にヴィオラを弾いてもらおう…。

なんて、これから館に帰るっていうのに
もう学園に戻った時の事を考えてるなんてね…。
| 四男 エミール・ファビウス・ドーソン | 01:19 | comments(0) | - |

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