Le Chevalier du Lion d'Or

ル・シュバリエ・デュ・リオンドールで起こる日々の出来事・・・
<< June 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
 

相変わらずコナーの情報は掴めない。

 だけど、長男ダニエルとヴィヴィアンの婚約騒ぎがあってからというもの僅かな変化が目に余る。


 四男エミールと何かあったみたいだけど、あれから彼の様子も少しおかしい。

 挙動不審な姿が見られ、本を読む時以外にも俯いている事が多いわ。



 まぁ、わたしの管轄外だけど。





 今回のパーティは散々だったわね。


 例の婚約話やサリヴァンの事件。

 それによる三男アルヴァのほぼ半狂乱状態。



 とんだ騒ぎだったわほんと。




 「マリカさん、それ終わったら次はお庭のお掃除に向かってくれないかしら」



 かといって私達使用人は何もできないし………いつも通りの日常が過ぎて行く。



「あい! わかったでゲス!!
綺麗にしてくるでガス!!」



 この館がどうなろうと、わたしには直接は関係の無いこと。



 「ちょっ……待ちなさいマリカさん!!
 その仕事が終わったらって言った側から出発しようとしないでちょうだい!

 あと、なぜ熊手を持って行こうとしてるの!!」



 ただ関係するとするなら、それを辿って迷路の出口を探す………くらいかしら。


 迷路はジワジワと複雑になっていく。



 「あり?
 ジャパニーズ箒でゲスよ!
 ナオミさんよく知ってるでゲスね!」




 細い何本もの糸が絡まり合うように。




 固く


 色の異なる糸が結び付く。





 「……はあ…。

 貴女が来てから毎日てんてこ舞いだわ。

 …これも何かの縁かしら…?

 こっちは神経使って疲れるし余計な縁だけれど…!」





 そう、


 きっとこれも、




 何かの縁。
| メイド マリカ・アルシア・レヴァイン | 02:43 | comments(0) | - |
戯れ


 よく晴れた日。
でも、寒さが少し目立って来た。


ゲストルームの窓から青空を眺める。

こんな晴れた日はお庭でティータイムなんてのも悪くないわね。
これからまたお昼の時間だし・・・

・・・まあ、今は使用人だからそれが叶わないのが残念だけど。



「マッリッカちゃーん!なにしてるのー!」


と、いきなり背後から掛けられた声に肩を震わせて
慌ててポーズを変えた。


「ん、んん!?? ヒュヒュヒューイさん!ご機嫌ようでゲス〜!
ナオミさんに頼まれて招待客の為のゲストルームを
準備してるんでゲスよ〜!」

「へーそうなんだ! 僕もこれからワインセラーに行って
チェックに向かうところ!
終わったらそっちも手伝おうか?」

「いやいや大丈夫でゲス!
ヒューイさんの手を煩わせるまでも無いでゲスよ!」

「そう? また何かあったら呼んでね! じゃあ!」

「はい! 失礼するでゲス〜!




・・・・・・・・・・・・・・チッ!

いちいち気にかけてくる奴ねほんと!!
気持ちは解るけど毎回毎回背後からいきなり話しかけて来るの
やめてほしいわ!!!」


スっと立ち方を戻して小さくため息をつく。
少し休憩しようと傍にあったソファの背もたれに
寄りかかって足を組む。


「マーリカちゃーんっ!!
ここに居るってナオミさんから聞いたんだけどさー!」

「なななななな何でゲスかアメリアさん!!!
わわわちきになな何か用でゲスかかか」

「・・・・・・マリカちゃん、何してんの?」

「・・・・・・・・・・いえ、・・・・・・ちょっとソファに。
・・・小指を・・・・ぶつけたで・・・ゲス・・・」


驚いてソファから滑り落ちて床にコケている私を入口で
キョトンとした顔で見つめるアメリアが立っている。

「あははは! マリカちゃんほんと面白いなー!
ねぇここ終わったらさー! あたしのとこも手伝ってくれない?
もういっこ上の階の応接室!」

「あい・・・、かしこまりました・・・・・で、ゲス・・・」



そしてコケたままの私をそのままに、
ご機嫌そうにスキップしながらその場を後にしたアメリア。




・・・・・・・・フッ・・・。

私もまだまだ気が緩んでいる証拠ね。

・・・ドーソン家の使用人達・・・・
何気に侮れないわね・・・。

油断できないわ。



私は無性に脱力感を覚え、暫く視界が天井のまま
爽やかな朝の日差しを浴びていた。





「くおらああああマリカさあああん!!!
何してるのーーーっ!!!!!!」


「ギャアアアア出たああああナオミさんんん!!!
ごめんなさいでゲスうううう!!!!!!」

| メイド マリカ・アルシア・レヴァイン | 23:57 | comments(0) | - |
小さな不安
 

「マリカさん!! 何度言ったら解るんですか!!
やめてくださいその様な口調と姿勢をするのは!!」

「ご、・・・ごめんなさいでゲスぅ・・・ナオミさんん・・・」

「・・・そんな言葉遣いとポーズで誤られても。

反省の色ゼロですね」

「はっ! つ、つい、でゲス・・・!」

「どうやら、より実践的な教育が必要なようですね・・・?」

「クッ、クライド様のお部屋を掃除してくるでゲス〜!!!」

「あ、こら待ちなさいマリカさんっ!!!」






・・・はぁ、・・・やっと撒いた。



「あのメイド長、なんて形相で追いかけてくるのかしら。流石に驚いたわ」


怪しく構えたナオミから本能的に即座に逃げ出し、大分遠くまで逃げてきた。
周囲を確認して邪魔な眼鏡を外した。

相変わらず地味で目立たないこの完璧な演技には我ながら感心するわね。
誰一人として私を怪しいなんて思わないじゃない?

大窓に近づいて外を覗くと、よく整備された庭が見える。
その中心でじゃれあってるのは・・・メイベルとヒューイね。仲良しだこと。
 ヒューイも諦めが悪いわね。先が思いやられるわ。



「・・・・・」


住人たちのある程度の把握なんて、そう困難なことじゃなかった。むしろ私には容易いくらい。

彼が・・・クライドが始めようとしている事を、わたしはただ支え、見守るだけ。

・・・正直、本当に先が思いやられるのはあいつだわ。
表向きは不真面目で遊び人。女ったらしで・・・ 言い出したらきりがない。

バカみたいな信念を通そうとする。

長男ダニエルは正反対で生真面目でお堅い。クライドのこと大嫌いだし。
三男アルヴァは・・・まだまだ子ども。純粋にも程があるくらいね。すぐに騙されそう。褒めてるのよ?
四男エミールは歳の割に頭が切れるし冷静沈着。物腰が柔らかいから敵も少なそうね。

こう見ると、あの兄弟はそりゃ相容れない、って思うわ。


でも私は知ってる。
あいつが誰より・・・。誰よりも、




「・・・・・・やめた」


大きなため息をつく。


なに、余計なこと考えてるのかしら。
わたしはただ、わたしのすべきことを全うするだけよ。

やれやれ・・・、あまり姿が見えないと怪しく思われて仕舞うわね・・・


胸元に下げてあった眼鏡を手に取って掛け直した。


「見つけたわよマリカさん!!」

「!!  げ! ナオミさんでゲス!!!」


突然の背後からの怒声に驚いて振り返ると、
箒を片手に仁王立ちのナオミがいたもんだから
あわてていつもの地味マリカに切り替えた。




「げ、とはなんですか! クライド様のお部屋の掃除はどうしたんですか!?」

「いいい今からやってくるでゲス〜〜!!!」




さて、パーティに向けて大忙しだわ。

| メイド マリカ・アルシア・レヴァイン | 02:01 | comments(0) | - |
出陣
 

大きなお屋敷の前に、多くの荷物を背に立つ。



「今日から・・・・・・ここで」


ずり落ちてくるメガネを片手で上げ直して目の前の屋敷を見上げる。

・・・・ええと、入口は・・・・



「おや? 君は・・・・・・、誰かな〜〜〜?」

「!」


背後からの突然の声に肩を震わせて振り返ると、
頭から角が3本生えた少年が不思議そうに
覗き込む。


「・・・わ、わちきはっ、今日からこちらでお仕えすることになった新しいメイドの、マリカ・アルシア・レヴァインでゲス!」

「・・・・・・・・・・・・・ゲス」

「あい」

「ゲスゲス!」

「お屋敷の方にお会いしたいのでゲスが、どこに行けば・・・」

「こっちでゲスよ〜〜〜〜!このザビエル!テ!アモ!ラングレー!!!!が。
案内するよ〜〜〜〜ゲスゲスハス!!」


軽やかな足取りと、聴き慣れない唄を口ずさみながら
案内をするザビエルさんとやら。

入口に着くとそのまま不思議な動きのまま去って行ってしまった。


「不思議な方でゲスね・・・。ありがとうでゲーース!



・・・・・・さてと、それじゃあ入るでゲス、か」



荷物を背に背負い直して一歩踏み出す。


と、その時ふと視線を感じた。

上を見上げると、多く並ぶ窓の一つから
腕を組みながらこちらを見下ろす人影が見えた。

そして、


(よろしく、   マリカ)



そう口だけを動かして、奥へと姿を消した。




・・・・・・フン、ご挨拶だこと。

・・・・・まあ、今日から楽しみ。・・・・おっと、いけないいけない。


今日から楽しみでゲス、ね。



ところで、さっきの3本角の男の子には次にまた会ったら
お礼を言わなきゃでゲスね。




さあ、始まるわ。
| メイド マリカ・アルシア・レヴァイン | 07:53 | comments(0) | - |

SELECTED ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
モバイル
qrcode
LINKS
PROFILE
ADMIN