Le Chevalier du Lion d'Or

ル・シュバリエ・デュ・リオンドールで起こる日々の出来事・・・
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10:34 PM


またか。

いつしか、この館に新しい何かが増えるのは、または、減るのは、

この館に住む、誰かの野望が具現化した時だと・・・、そう感じるようになった。

ル・シュバリエ・デュ・リオンドールとは、

そういった野望の容れ物、集合体なのではないか、と。



そしてまた、私も、そう遠くない未来に、

この館に、そんな変化を与えようとしている。




絶対に私を裏切らない存在、か。

代々ドーソン家に勤めてきた執事のヘンリーか、

メイド長のナオミか・・・。




いや。

「ブリジット・・・。」

ぽつり、と漏れた音を聞き、一瞬だけ不思議そうな顔をしたブリジットは、

いつも通りの穏やかな表情を私に向けた。


その表情を見ながら、

ふと、先日のクライドの言葉が頭をよぎる。

『例えば・・・、ブリジット。彼女を私が兄上から奪っても?』

挑発するような表情で、不愉快極まりない、湿った声だった。



その問いに、私はなんと答えただろうか。

「ああ、構わない」

だったか、

「出来るものなら、やってみろ」

その後、なんと続けたか・・・、

「お前の掌に収まるような女だったらな」

だったか・・・?











「ブリジット。」

もう一度、不思議そうな表情でこちらを伺う。

「たまには、ワインでも飲まないか?」

しばらくそのままの表情で見つめて、クスッ、と笑う。

「・・・眼鏡。」

堅苦しい銀縁の眼鏡に手を掛ける。

「・・・外したら、どうだい?」

イングリッシュ・ラベンダーの香りと、誰かの足音がした。


| 長男 ダニエル・ブラッドリー・ドーソン | 02:33 | comments(0) | - |
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