Le Chevalier du Lion d'Or

ル・シュバリエ・デュ・リオンドールで起こる日々の出来事・・・
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4:02 AM


 暗闇の中で目が覚めた。
最近、少し肌寒くなってきたかと思ったが、
寝起きの肌がじっとりと汗ばんでいる。

昔のように悪夢でも見たのだろうか。
ゆっくりと起き上がり、自室であることを確認する。
窓を開けると、心地の良い夜風と柔らかい月光が差し込んできた。


今、何時だろうか。
渇いた喉を潤したいが、そのためにわざわざ使用人を起こすのも気が引けた。
まあいい、水くらい自分で用意するか・・・。

月明かりが差し込み、青白く照らされた廊下を進む。
ふと、暗闇の中から聞き覚えのある声がした。
『これはこれは兄上殿、こんな夜更けに…いや、夜明けにどうかなさいましたか?』
耳にまとわり付くような、不快な声。クライドか。
"こんな夜明け"に、明かりも点けず大広間の階段に座り込むお前の方がよっぽどどうかしている。
『おやおや、私は見ての通り、この美しい月を眺めながら思考を巡らせていたのですよ…。』
クライドの声に合わせて、トプン、と、液体の混ざる音がする。
ウイスキーかワインか…とにかく酒には違いないだろう。

家の財産を湯水のように使い、毎晩のように娯楽に興じている愚弟が。
不快そのものでしかない高笑いを背に、私はその場を通り過ぎた。
喉を潤し、自室へ戻る頃にはもう、その場にクライドは居なかった。


私とて他人の思考がわからないほど呆けてはいないが、
相変わらずあの愚弟が、
何を考え、その腹の内に何を仕込んでいるのか、図り取ることができない。


ベッドに腰を下ろす頃には、すっかり目が冴えてしまった。
サイドテーブルに置いてあった眼鏡を掛け直し、私は、読みかけの本に手を伸ばした。
| 長男 ダニエル・ブラッドリー・ドーソン | 02:01 | comments(0) | - |
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