Le Chevalier du Lion d'Or

ル・シュバリエ・デュ・リオンドールで起こる日々の出来事・・・
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suffering


……手紙…?

ル・シュバリエ・デュ・リオンドールから、僕に…?



ドキドキして開いたその中には、一枚の招待状。

―アルヴァ兄様の…誕生日パーティー?……?



すっかり忘れてしまっていた。
そうだ、もう七月だったんだ。


…『P・J・L』からの手紙を受けてから…

…父上が亡くなって…

…そして僕は………

―……あれからの毎日は
あまりに慌ただしく過ぎていったから、
なんだかいろんな事に実感がわかない。



思い出して、ふっ と、
いつかの年のアルヴァ兄様の誕生日パーティーが脳裏に蘇った。



メイド長のナオミが切り分けてくれたケーキを、
少しでも大きいものを選ぼうとして
いつまでもケーキと睨めっこしていた兄様。

それをダニエル兄さんが叱って…

大人しくなったアルヴァ兄様を、
今度はクライド兄様が茶化して笑わせる。

メーベルがやけにニコニコしながら
一人でブツブツ言いながらガッツポーズをして、

アメリアが調子っぱずれなバースデーソングを歌い出すと
ヒューイもそれに乗っかってきて、
執事のヘンリーが重い咳払いでそれを止める。


…そして………あの時は、まだ父上もお元気で……

…………


…―僕はいつもそんな光景を笑って眺めてるだけで充分だった。
みんなと一緒にいられるだけで楽しかったし、幸せだったんだ。

僕には、兄様達みたいな聡明さも、社交性も、ユーモアもないから。
いつでも、側にいて…
笑っていられれば…



…思えばいつだって近くて遠かった。



華やかな父上と、兄様達。

母様は僕たちも本当の息子同様に愛してくれたけれど…
…僕にはいつも疑問があった。

それぞれ母親が違っても、僕だけが何か違う。
何かが…

…僕だけが、いつもその輪の外に居た。




その長年の疑問は、
『P・J・L』…彼からの手紙でようやくはっきりと答えが出た。




あれから一ヶ月以上…

リオンドールから手紙が来るのは、これが初めてだな。

ダニエル兄様はいらっしゃるんだろうか…
クライド兄様は、僕がここにいると知ったらどんな顔をするだろう…
そして、アルヴァ兄様は………――



少し悩みながら、僕は招待状の返事を書くべく、机の上の筆をとった。
| 四男 エミール・ファビウス・ドーソン | 15:00 | comments(0) | - |
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