Le Chevalier du Lion d'Or

ル・シュバリエ・デュ・リオンドールで起こる日々の出来事・・・
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Brief-Belief
 

「じゃあ、またね、アルヴァ!」

声をかけられた気がして振り返ってみたけれど、
エディントン寮のホールがただ広がっているだけだった。

今の声…あの悪魔、ミックのものに聞こえた気もするけど、
それはありえない!
あってはならない!

あいつの「またね」は別れ際なのに、背筋が凍りついたようになるんだ!

それなのに、必ず「またね」って一言を付け足してくる!
僕はもう会いたくないのに!

でも今回は、数年前の「またね」がまだ保留になるみたいで、嬉しいよ。
明日のパーティにはミックを呼ぶな、ってヘンリーに何度も釘を刺したからな。

あれだけお願いすれば、ヘンリーだって聞き入れてくれるに違いない!


あとヴィヴィアンも!
あいつもパーティには必要ない!

みんな一つ覚えに、
「ヴィヴィアン様はそれはもうお美しく成長していらっしゃるんでしょうね」
なんて、わざわざ僕に言ってくる。

だから、おまえたちがその答え合わせをするチャンスなんて、ないんだよ!


ヴィヴィアンとミックは明日のパーティには来ないんだからな〜っ!
あいつらさえ来なければ、パーティなんて朝飯前なんだ!



そういえば、まだ今回の招待客のリストを見ていないな…

…まぁ、いいか。

ヴィヴィアンの名前が無いリストなんて、みんなおんなじだし。


| 三男 アルヴァ・グスターヴ・ドーソン | 17:13 | comments(0) | - |
Seamless-Progress
 

この週末は、ことさら長かった…

ヘイスティングスを発ったのがずいぶん前のように感じられる。
トランクを床に放り出し、ベッドに体を投げ出す。

…考えることはたくさんあるけれど、今じゃ、何もかも堂々巡りになってしまう。
重い腰を上げ、制服に袖を通す。


久しぶりの我が家…

でも、そんな感覚は以前より薄れていて、
なんだか、館の空気が少し前より重くなって…

ピリピリとした緊張感と、探り合うような視線…
それでも違和感なく飛び交う、親しみある雰囲気、昔から見る馴染みある日常…


変化の原因は、いったい何処に…?


…変わっていて当たり前か。


僕がいない間に新しい使用人まで増えていたんだし!

まったく、なんなんだよ、あいつらは…!
なんだってあんな…!


いや、そんなことより!
問題なのは11月のパーティだっ!

ダニエル兄様だって知っているはずだ!
僕がどんなにヴィヴィアンにひどいことをされたのか!

兄上だって、あいつのクッキーを食べて、おなかを壊したひとりじゃないか!

それを知った上であいつを呼ぶなんて!
どうかしてる…!


問題はそれだけじゃない!

忌々しき小悪魔!
マイケル・モーリス・ハウエル!

あいつの数々の悪事もぜーんぶ覚えてるんだからな!

紅茶に虫を入れられるなんて日常茶飯事、
靴の中にヒヨコが入っていたり、
朝起きたら髪が三つ編みになっていたり…!

それ以上にひどいいたずらをされたんだ!


ヴィヴィアンとミック…!

今度こそ、招待状をビリッビリに破いて燃やしてやる!



はぁ

僕にも、家のことに意見できる力があれば、な…

ヘンリーは、僕にしかない、僕のいいところを大事にしろっていうけれど…



ちょっとくらい、試してみようかな…

| 三男 アルヴァ・グスターヴ・ドーソン | 02:19 | comments(0) | - |
Eager-Gazer
 

まったく…

せっかくヘイスティングスから遥々帰省したって言うのに、
屋敷が慌しいことこの上ない。

大事な屋敷の三男・四男が帰ってきたのをそっちのけで、
今度は再来月のパーティの準備だって?

折角、僕のヘイスティングスでの監督生としての功績を語って聞かせようと思っていたのに、
ずっと朝から放っとかされていて、
メイドを呼んでもなかなか来やしない!

ブレイクをするのに、自分で紅茶を用意しなければならないのか?
そんなの、学園にいるときだけで充分だ!


…部屋を出よう、と思って、扉を開けた。


手紙には書ききれなかった積もり積もった話があるっていうのに、お忙しそうな父上。
引っ切り無しに、様々な人間が父上の書斎に出入している。
今、僕が会いに行ったら、父上は、困り入ってしまうだろうな。

二人の兄上も忙しそうで、帰省してからまだ数回しか姿を見ていない。
クライド兄様はいつものこと、か。
僕がなんとはなしに部屋を訪ねても、何も与えてくれるものはないだろうな。

エミールは、彼も彼で、学園にいるときと全く同じ、本しか読んでいない。
まだ子供なんだから、館に帰ってきたならもっと子供らしく振舞えばいいものを!



歩き慣れた屋敷の中を、何かを求めて歩き続けても、
何にもぶつからない。


どいつもこいつも…
僕を楽しませてくれよ!



挙句の果てに、会いたくて会った訳じゃない、なんにも知らない一人のメイドには、

『しばらくお見かけしない間に、
 お父上にそっくりになられましたね』

なんて…



僕の何を知ってるっていうんだ!

いい加減聞き飽きた!

もっと面白いことを言う人間はいないのか?


もっと、もっと
本質的なことを!


フン、やっぱり、
この僕の話し相手には、我が家の執事、ヘンリー以外にいないだろう!



…さて、屋敷の人々の時間と心にゆとりができるまで、
ひとりで探そう。
| 三男 アルヴァ・グスターヴ・ドーソン | 03:02 | comments(0) | - |

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